ロングトーンってなんだろう? 〜ソノリテについて〜

投稿日: 作成者: くまさん
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みなさま、こんにちは!

初めて来た生徒さんや
初めて行く学校で聞くことがあります

いつもウォームアップはどうやってる?
ロングトーンもやってるかなぁ?

生徒さんは
「はい、ロングトーンでドア(Dur)を3本とモール(moll)3本をやります」

などと胸を張って話してくれます。
(それって音階じゃん)

でもみんなは
4拍、8拍と伸ばしているので
「ロングトーン」と言っているようです。

フランスのフルーティスト、
マルセル・モイーズが書いた教則本に
ソノリテについてという名著があります。

フル ーティストならみんな知っているし、
多くの学生さんも名前は知らなくても、
この練習をしています。

サクソフォンでもやっているのを聴いたことがあります。

ソノリテとはフランス語で音質を意味します。
ソノリテの始めのテーマは音の同質性

五線の「上第2間のH音」の響きを全音域につなげようという練習です。
(上記H音をソノリテでは、出しやすくフルートらしい明るい響きがする音、としている)

練習方法は
♩=60 半音ずつスラーで下りていきます
(Hを1拍〜Aisを3拍)×2

(Aisを1拍〜Aを3拍)×2

(Aを1拍〜Gisを3拍)×2



最低音Cまでつなげます。

論理的に
A=B
B=C
C=D
ならば
A=D

置き換えると
始めのHの響き=Aisの響き

Aisの響き=Aの響き

Aの響き=Gisの響き

ならば
始めのHの響き=最低音のCの響き

となります。

なるほどですね。

ここで大切なのは
始めのHを自分が好きな響きで吹ける

始めに自分が好きな響き=自分が好きな響き

自分が好きな響き=自分が好きな響き

自分が好きな響き=自分が好きな響き

ならば
始めの自分が好きな響き=最後も自分が好きな響き

この論理に当てはめると
始めが「いまいち」だと最後まで「いまいち」
な響きなってしまうので
好きな響きにして始めてくださいね

モイーズは
よく響いた音で音の同質性を目指しました。

ですから、我々も自分の1番好きな響きから
ソノリテの練習を始めても良いのです。

ちなみに私はよく上第1間のGから始めます。
日によっては第3線のHから始める時もあります。
たまにモイーズの好きな上第2間Hからも始めます。
その日の気分、作りたい音色になっている音からソノリテを始めます。

これを読んでいるみなさんは自分のどの音が好きですか?

私はロングトーンを「その日の音づくり」と思っています。
「よく響いていて自分が好きな音」
これをロングトーンのスタートにしてみるのもいいかもしれません。

みなさまの音楽のために

フルート奏者 大熊克実

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ロングトーンPart2

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くまさん

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3 thoughts on “ロングトーンってなんだろう? 〜ソノリテについて〜

  1. […] これを読んでから、ぼくはウォーミングアップでは自分の吹きやすい音域を静かに吹きはじめることにしています。フルートでいうソノリテです。(ソノリテってなんだや?という人はフルーティストの大熊克実さんのブログのソノリテについて、をどうぞ。大変わかりやすいです) […]

  2. ソノリテの日本語版は日本語訳がひどいですね。4頁目の2線Gから下一線Cに行く楽譜の説明などがとくにひどい。下記は英独仏版です。最低音が一番リップを絞め、その代わりに顎を前に押し出し音程を調節しなければならないのに、まったく逆の訳になっているようです。今は日本語訳はもっていませんが、他の掲示板で知りました。
    http://www.flutefamily.org/others/files/Marcel_Moyse.pdf

    1. 長妻さま、訳はむずかしいですね。特に専門的なものはニュアンスも含め大変なことでしょう。最近の楽器は進化しており、無理のないアンブシュアで吹いても大丈夫になっているものもあるので指導時のアドバイスは個別にその人と楽器に合うよう気をつけています。お知らせありがとうございました!

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