こんにちは!
先日シュッツさんの演奏会を聴いてきました。
カール=ハインツ・シュッツさんはウィーン国立歌劇場管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者です。
カール=ハインツ・ツェラー(往年のベルリン・フィル首席)とウォルフガング・シュルツ(往年のウィーン・フィル首席)を合わせたような名前、それだけでスゴイ!(笑)
昔聴いてパユもすごいと思いましたが、この歳になってこんな衝撃を受けたことにビックリしたのと感激が同時にやってきました。
今回特に「凄いな」と思ったことが「この音色使えるんだ」でした。
ppで最小限の響きを作って「かすかに聴こえるライン」で吹く。
ドビュッシーの牧神の午後への前奏曲とは違う、アクティブな曲でのコントロール。
私の中にはなかったので、興味が湧き釘付けになりました。
かすかに聴こえるスピーディなメロディライン。聴こえるスレスレです。
トッパンホールという空間の特徴も活かされ見事でした。
これを聴いていて考えたのは「明日使おう!」
どのようにあの音を出すかは聴いていてわかりました。
自分では使わない吹き方でした。
翌日ウォームアップの時にソノリテでその音色も入れてロングトーンをしました。
ppのコントロールは特に繊細ですから、ゆっくり時間をかけて脳と身体をつなげました。
そして本番
楽しい!
音色のチョイスが増えたのと、アップでppのコントロールをしたので繊細な変化が生まれいろいろなことができました!
演奏して自分の感想は「今まで何していたんだ…」
最近は演奏時に身体からのフィードバックによって、今どう考えて演奏したら想いの演奏ができるか、というのが効果的に働いています。
演奏時は「音楽に集中しろ」と言われそうですが「指限界」「息足りない」ような時に「何を考え」「どうするか」は自分のハイエンドを伸ばしてくれます。
音楽の世界には「〜しなければいけない」「〜考えなくてはいけない」など呪縛が多いと思います。
実はそれは自分を苦しめています。
柔軟に「今の自分はどう考えて演奏したら望む演奏ができるのか」という考え方。
人間は同時にいくつものことを並行して見聞きしながら実行できる能力を持っています。
一箇所に固執すると自分の能力を自ら狭めることになります。
視野を広く柔軟に、良いと思ったことを取り入れる。
自分の感性を大切にしてくださいね。
みなさまの音楽のために
フルート奏者
アレクサンダー・テクニーク教師
大熊克実