合奏で調子がわるい! フルートの息を当てるポイント

投稿日: 作成者: くまさん
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こんにちは

合奏が続いて何だか調子が悪くなってきた、そんな経験はありませんか?

先日ある学校のホール練習に伺いました。

客席で聴いていると、フルートの生徒さんが何か言いたそうに私の所へやってきました。

話を聞くと「自分の音が汚くてイヤだ」そうです。

実際客席で聴いていて「汚い」と感じる箇所は1つもありませんでしたので、その生徒さんからさらに詳しく話を聞いてみることにしました。

その生徒さん「どんどんネガティヴに考えてしまうんです」と自分で言っていました。大変な時に自分の状態がわかっているなんて立派なものです!

その時点で私は
1.客席ではきれいに聞こえている
2.数カ所気になる所はあった
ことから、生徒さんの考えと聴こえてくる演奏が一致すれば改善が見込めるのではないかと思いました。

話を聞きつつ、吹いてもらったりして、しばらく時間が過ぎました。だいたい普通ならある程度方向性が見えて解決に向かうのですが、その日は良くはなってはいるがお互いピンと来ていない状態でした。

それから間もなく私はあることに気づきました。

この生徒さんはもっときれいな音が出せる!

楽器のベストポイントで吹いていなかったのです。

フルートの息を当てるポイント
頭部管の歌口、前側の空気を当てるプレート面と穴の角(約90度になっている所)に息の中心を当てると、最も効率良く楽器が鳴ってくれます。それよりも息の角度が下を向くとピッチは下がり、音色は暗めになります。逆に息の角度が上を向くとピッチは上がり、音色は明るくなります。

実際は少々上向きの方が響きが明るく通る音になりますので、世間的にはこちらが好まれます(私はダーク系を好んでいます)。お好みや場面に応じて吹き分けてくださいね。

さて、その生徒さんは、合奏練習が続いていたため、それに対応して大きな音を出すため上向きに吹いていました。だから一人で吹いた時に風の音が気になって「汚い」と思ってしまったのですね。息を当てるポイントに注意しながら吹いてもらっていると少しずつ音色がしっとりとしてきて、それが気に入ったようでした。音色や音楽に対する感性が豊かな生徒さんで音が良くなると、ネガティブ発言も減り、表情も明るくなりました。合奏に戻ってもらい、私は客席で聴いたところ、以前より響いて通っている演奏の表情も豊かになっていました。本当に良かったです。



さて、ひとつ付け加えたいことがあります。風の音(シャーリング)も必要な音で、この風が音を運んでくれます。私のフォルテの音を近くで聴くとびっくりする中高生がいます。音自体大きいのですが風の音も多いので。でも遠くに行って聴いてもらうと納得します。


調子が良くない時、信頼できる人に相談してくださいね。


みなさまの音楽のために

フルート 大熊克実

ホームページ http://www.okumakatsumi.com
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メール問い合わせ art-music@okumakatsumi.com

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くまさん

フルート奏者 Flutist 吹奏楽指導者 Band Director アレクサンダー・テクニーク教師 Alexander Technique Teacher
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