こんにちは!
1980年代アメリカ、話題のコンサートがありました。
ダニー・ケイとニューヨーク・フィルの夕べ
楽譜も読めない、音楽の専門教育を受けたわけではない、でも心から音楽好きな俳優ダニー・ケイが、一流のオーケストラであるニューヨーク・フィルハーモニックを指揮しながら繰り広げる抱腹絶倒のコンサートです。
私がこれを初めて見たのは今から30年ほど前のこと。
内容は、2015年のウィーン・フィル・ニューイヤーコンサートを指揮した事でも記憶に新しいズービン・メータが、J.シュトラウスの喜歌劇「こうもり」序曲を演奏して幕開けます。ここまでは普通のコンサート。
序曲の演奏が終わり、メータが舞台袖に消えて行くと、遠くからSit down!という声が聞こえてきます。
お客さんに対してSit down! と言いながらダニー・ケイが登場するのです。
盛り上がって挨拶するダニー・ケイ。マイクで話しかけます。
Good evening!
客席から返事がないと、強い口調でもう一度
Good evening!!!
ほとんどのお客さんはここで、Good evening! と返し会場全体に響き渡ります。一件落着と思いきや、ダニー・ケイは続けて即興で歌い出します。
ダニー
🎶Good evening!
お客さん
🎶Good evening!
ダニー
🎶How are you?
お客さん
🎶How are you?
お客さんも見事に同じメロディで歌って返します。
これでつかみはOK!
くるみ割り人形のロシアの踊り「トレパーク」を使って情熱的な指揮者、神経質な指揮者、歩くのも大変なお年寄り巨匠の指揮者などを演じ会場を大爆笑の渦へ。
このようなパフォーマンスが約2時間、公演で行われます。
何と言っても関心するのは、彼が音楽を大好きである事がみんなに伝わる。それを心から表現して形にする。
オーケストラや会場全体と一体になってパフォーマンスしている事がとても自然で心地が良い。本当に素晴らしいコンサートです。
このように聴いている人と一体になれるようなパフォーマンスは、ベートーヴェンやバッハの演奏会であっても演奏者が心がけたい事です。
その時、そこに居るみんなで1つのものを作る!
これが本当の演奏会なのでしょう。
こんな素敵な演奏会、みなさんにも作れるんですよ。
私の講座で一緒に練習してきっかけをつかみませんか?
緊張対策、ブレス、姿勢、フィンガリング、タンギングなど、日頃の課題を解消していきましょう!
みなさまの音楽のために
フルート奏者 大熊克実