こんにちは!
毎日同じ曲を吹いていると身体の使い方も慣れてきて、それに特化した吹き方の習慣を作ってしまいます。
先日ウォームアップをしていて自分の異変に気付きました。それはピッコロでpがコントロールできていない…
ミュージカルのオーケストラでは電子楽器も多く、大音量の中で吹いているので気づかないうちにデフォルトの音量が大きくなっていて、pのコントロールの精度が悪くなっていたのです。
早速ppでアルペッジョの練習を始めました。
タファネル=ゴーベールを吹き始めたのですが、第3オクターブのD→Fがもうすでに出せない…
かなり重症です
こんな時に「よーし、頑張って出すぞ!」と気を入れなおしたりしますよね。
新たに頑張る気持ちを出すことは大切です。しかしそれだけでは何度やっても成功できないかもしれないのです。それはなぜかというと
成功に至るまでの手段を理解していない
音が出ないのには理由があります。逆に音を出せるのにも理由があります。
私たちが選択したいのはどうやったら音が出るのかの理論と身体の使い方を知ることなのです。
ppを出す仕組み
1 適度なお腹の支え
ピッコロのppの場合は、使う息の量はかなり少ないです。そのため何も考えずに少ない息で吹こうとすると、音は出ないかピッチの低い暗い音になってしまいます。息を少なく使う時はfの時と同じくらい腹圧をかけて「息を出そうとすること(a)、息をセーブすること(b)」を同時に行います。(a)ー(b)=出てくる息の量です。
例)
fの時には(a)ー(b)=大
8ー2=6
pの時には(a)ー(b)=小
8ー6=2
実はpの方が力を必要としているんですね。使っている力はfが8+2=10、pが8+6=14、pの方が支えが必要だというのはこういうことなのです。
これは一例ですのでフレーズによって適宜加減してください。
息の向き
どんなに出てくる息の量をコントロールしても音は出ません。歌口のエッジへ向かって吹いてください。
誰でもできる初めてフルートを持った人への教え方part2参照
アパチュア
歌口と同じ幅かそれより小さくします。鏡を見て加減してください。
歌口とアパチュアの関係
歌口をどのくらい下唇で覆うかで色々と変化があります。少しずつ当てる高さを変えてみて気に入ったポイントを探してください。
大体このくらいのことに注意を払って練習をすればかなりコントロールできるのでppも操りやすくなると思います。ついでに音色にも良い影響があると思いますよ。
おかげさまで重症だった調子は、これらのプロセスを経て5分ほどで絶好調に変わりました!
みなさまの音楽のために
フルート奏者
アレクサンダー・テクニーク教師
大熊克実