こんにちは!
同族楽器の持ち替え、どの楽器にもありますよね。
フルートの場合にはピッコロ持ち替えが非常に多いです。しかも小さいせいかフルートと1セットにして考えられます…結構大変なので別物として考えてほしいところです。
さて、先日指導に行った学校のホール練習、ピッコロの人はとても頑張っていましたが聴こえてくる音は今ひとつ小さい。
そう思っていたら、その本人がやってきて「どうしても大きな音が出ないんです…」と困った様子でした。
吹いてもらうと確かに頑張っていますが大きな音は出ていない。
そこで私は、ピッコロの吹き方についてどのように考えているのか尋ねてみました。
Q フルートとピッコロの吹き方で何か変えていることはある?
A あまり意識したことはありませんが、あまり変えないようにしています。
なるほど!
私はすぐに納得しました。実はフルートとピッコロは吹き方が結構変わるんです。
早速私はピッコロを持って「フルートと同じように吹いてみるね」といいフルートを吹くようにピッコロに向かって吹きました。
スカー、ザー
風の音ばかりであまり鳴りませんでした。
次にピッコロの吹き方に変えて吹きました。
〜〜♪♪〜〜
綺麗な木管らしい音が響きわたりました。
「こんなに変えるんですね! 私息を使い過ぎていたかもしれません。」
そうなんです。そして次の説明を聞いてもらってから吹いてもらいました。
1.フルートに比べ使う息は少ない
ピッコロは歌口もフルートより小さいので使う息をより繊細にコントロールします。
2.楽器に当てる息の圧力は強い
音域はオクターブ上がるのでは圧力がフルートより必要です。
3.唇へのプレッシャーをあげる(フルートよりも力を使ってコントロールする)
歌口が小さく息圧をあげるので、アパチュアをコントロールするにはその圧力に耐えられる力が必要です。これには即座に反対する先生がいらっしゃると思いますが、物理的に実際に起きていることへの実際の身体の対処ですので、口を締める動作ではない事をご理解ください。あくまでもアジャストさせる、コントロールするという事です。
つまり、息を減らし、圧力を上げ、唇に力を入れて吹いてもらいました。すると
「ああ、前より鳴ります!」
すぐに楽器が響いてコツを掴んだようなので1〜2日あればもっと鳴らせるようになることでしょう。
今回はフルートとピッコロの吹き方を変えないでピッコロが響いていない人に有効なピッコロの吹き方でした。
同じ症状の方はぜひお試しください。
みなさまの音楽のために
フルート奏者 大熊克実